201210

ストーリースラム★かぐや姫のダイアリー

florida.jpg

Harvest Moon でした。2日前の満月。
収穫の月、と訳せばいいのかな、たぶん。
収穫の頃ですから。
そして来月の満月はHunter's Moon 
猟師の満月、というそうだ。

だから今日はかぐや姫の自作ストーリーの叩き売り。(きゃー、誰か買って~)

かぐや姫の考古学検証のチームが
かぐや姫の日記のような書き残しを発見した。
それは遣唐使が唐の国から持ち帰ったであろう古い紙に流れるような筆で書かれてあった。
チームのメンバー達はその発見に舞い上がる思いだった。
難解な古文を国文学者に現代訳させて大体の内容はつかめた。

かぐや姫の地球最後の数日間がつづられており、
満月の夜、月に帰るべきかぐやは、彼女を嫁に欲しいという殿方達へ無理難題はひっかけたことや、
その無理難題で死んでしまった殿方を嘆く文が短くつづられていた。
そしてその裏には彼女の書いた恋文があった。

「恋しいあなたへ。
稲刈りのお忙しいあなたのお姿を今日も東の丘から見ておりました。そしてあなたがお帰りになるのを見計らって竹林でお待ちしていましたが、すれ違いの夜となりました。明日が最後の夜なので一目お会いしたい。あなたがここで私と夫婦の契りを結びたいとおっしゃれば、私は月の国へ帰らない覚悟でございましたのに。 
待宵や空に届きし竹のあり -かぐや姫」

考古学者たちは、かぐや姫にかくれた恋人がいたことに驚いた。
しかも殿方やさむらいでなく、農夫が恋人だというのか、、、。

そして翌日には、月に帰り姫として月の世界に君臨する覚悟が書かれていた。

「恋しいあなたへ
あなたとお会いできたのは運命の計らいであれば、月の国の指揮者である姫の仕事も運命です。戻らねばならないことを自覚しております。でも、ひとつ願いごとをいたします。七夕の彦星と織姫のように1年に1度なら許される再会を逢瀬とし、この月に届かぬ竹のもとへと参りますので、来年の今日にいらしてください。 
満月の約束残し消えにけり -かぐや姫」
 
松の葉にくるまっていて、外側の紙はすでに破れて、これ以上の文献があったかも知れないが、見当たりはしない。
この恋文はかの農夫の手に渡ったのだろうか?そして男は違う世界のかぐやを愛し続け、1年待って会いにいったのだろうか?それにしても、かぐや姫は本当に地球を離れて月の世界に戻ったのだろうか?いくら使命ある仕事への覚悟を決めても、恋をすれば誰もが盲目になってしまう。
その反対にかぐや姫は月の世界に君臨し、1年の間にもう地球の男のことなぞ忘れてしまったかもしれない。

いや、ふたりはあれから毎年、1年に1度の逢瀬を全うしたかもしれない。
考古学のちからではそこまでわかりはしない。
恋の行方はわからないまま、2012年の満月の夜が過ぎた。


&&&フィクションです。
著作権★くにこ