201212

Keep it simple, stupid!

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2012年は仕事に力の入らない、ええ年でした。
母が他界した2010年からずっとこの調子でしたが、
あかんもんはあかんと
ようやく負け惜しみが平気でいえるようになり、放り投げる勇気を持てようになりました。

不思議なことに
いったん放り投げてふんぞり返ったら、
またがんばろか、って気が湧いてきて、
風をゆらゆらきって走り出したいなぁ、
と思えるようになりました。
この週末は自転車で風をきるのもいい。
おもろいスタイリストのキャサリン・ババもこうやってパリのファッションウイークにお出ましになったことだし。

そして私は英語の伝統的な決まり文句をびちゃっと自分にいうのです。
Keep it simple, stupid. Do your best, forget the rest.
>大阪弁訳:アホはシンプルにいきやぁ。他の事は考えんとベスト尽くしてなんぼや。

神様、みなさま、今年もおおきに。来年もよろしゅう!






正岡子規とホトトギス

Masaoka_Shiki.jpg

「悟りといふ事はいかなる場合も平気で死ぬることかと思っていたのは間違ひで、いかなる場合にも平気で生きていることである。」  -正岡子規

大学時代の友達が教えてくれた目が覚めるような言葉。
言いようのない力をくれる。

こんな言葉いったいどこからくるのだろう?

ふ~む。

子規というと俳句雑誌「ホトトギス」。
ホトトギスというと、血を吐くまで啼く鳥、という痛々しいイメージで子規の結核と結びつきます。

血を吐くまで啼く、、
そんな事をする鳥がいるのだろうか?

調べてみたら、
実際にはホトトギスの口の中が赤で、鳴き続けると血を吐くかのように見える、のです。
加えて、ホトトギスは
農耕に季節に中国、日本を渡るので、
農耕の期を知らせる鳥です。
だんだんパズルのようになってきましたが、
答えをくれるのは、中国の漢詩のなかにありました。

かつて滅びかけた国を農耕によって再興して帝王になった男がおり、
死後、農耕の季節(&大切さ)を知らせるホトトギスになったという。
彼の死後、再び国は滅び、
自分は死んでも、鳴いて血を吐くというホトトギスに為ってでも帰り、国のために尽くそう・・・
(「金陵駅 文天祥」より)

子規はそういう気概でいたのでしょうか?

視点をかえて、
彼の生涯は、
幼い頃から病弱で、結核にかかってからは7年間の闘病生活にあったとのこと。
吐血は生々しい病をまのあたりに見て、残酷な病状です。
私は子規がどれだけの思いを重ねて、自分をホトトギスと名づけたのかと妄想します。

ひ弱な私はつい、闘病のつらさ、死を隣りに生きる虚しさ、などを感じてしまいますが、
子規には、誰にも譲らない気概があって
上記の勇気あふれる言葉が吐けたのだと思います。
さらに彼の俳句は、
虚しさからはなぜか遠く、
写実の句として明るく輝きます。
「柿くえば鐘が鳴るなり法隆寺」
あっけらかんとして、柿と鐘と法隆寺が、ちょっと不思議に笑えてくるのです。
彼のお顔を拝見すると、下くちびるが突き出て、わるガキっぽいし、、
(あくまで私の勝手な思いですのでご了承くださいましよ。)

子規のファンになってしまいました。
私は彼の弟子の高浜虚子が大好きですが、子規を知らずにきたなんて。。。
日本に帰ったら、中ノ島図書館とかにいって古~いのを読みあさってみたいです。


真珠色の霧 

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マイアミの写真、すっかり忘れてた。
色がプラスチックのおもちゃみたい。

師走の大掃除に忙しいなか、
なぜか、サンドバーグの詩が思い浮かんだ。
亜熱帯マイアミの曇り空が、真珠のようだったからかもしれません。


PEARL FOG by Carl Sandburg

OPEN the door now.
Go roll up the collar of your coat
To walk in the changing scarf of mist.

Tell your sins here to the pearl fog
And know for once a deepening night
Strange as the half-meanings
Alurk in a wise woman's mousey eyes.

Yes, tell your sins
And know how careless a pearl fog is
Of the laws you have broken.

詩の内容は、なんとなくこんな感じ。

真珠のような霧に、自分の罪を告白してみるんだけど、
この真珠色の霧は、あなたが破った掟などこれっぽちも気にかけてやしない。

私はさらにマイアミの写真をみまわす。
あ、
真珠色の羽の鳥。

Miami bird

仕事とはいえ、旅して違う町に座すると、
自分が他人事のようで、
罪の告白とか、
いっぱいしてみたくなる。

お腹すいて、スタッフにあたりちらした、とか、
楽屋を勝手に独り占めした、とか、
信号無視、スピード違反、チケットのネコババ、とか、
あるわあるわのおおわらわ。
私は、困った人です。

でも
ありがたいことに、
真珠色の霧も鳥も、
困った人のことなんか知らんふりのようです。




ある会話

chandler.jpg


私の今年最後のショーはバーモント州でした。
山が美しいスキーリゾート地、ランドルフ市にあるコンサートホールです。
1907年、あるふたりの男の会話でこのホールは建ちました。
「オマエは図書館を建てろよ、オレはコンサートホールを建てるから。」

chandler 2


この会話が、銀行を建てろ、ホテルを建てろ、金儲けしようぜ、
でなかったところがおもしろい、と私は思うのです。
町に大切なものはお金だけではなく、
目には見えない感動も大切です。
それは当たり前かも知れないけど、建物にするっていうのはなかなかです。

それにしても、この会話は金持ちにしかできない会話でした。
金持ちでない私の念願の劇場つくりは、はがゆいほどにスローです。
とはいえ、ふとした会話で劇場つくりに賛同してくれる人が出ること、
学んでいます。
あっちこっちの町の会議に参加して、劇場を作りたいといいまくり、
それをやれやれ、と言ってくれる人と熱い言葉を交わすことによって、
前に進み始めています。

お金、お金と、言ってる間はだめでした。
演劇やエンタメは人のためにあるもの。
だとしたら劇場は人々によってできるものなのだと
改めて感じ、
結局は、
あたし、あたし、っていうしゃかりきな思いは
じゃまなだけだと知りました。
はぁ~、もっと早く知るべきやったあ。

ところで、バーモントですが、
バーモントカレーっていったい誰が言い始めたんやろ?
バーモントの衆、誰もカレーを食べません。
バーモントはメープルシロップが有名。
じゃぁ、オレはメープルシロップ、オマエはジャパンでカレーをつくれよ、
って会話、昔にあったのでしょうか?
なぜか気になって仕方のない私でした。

ロンドンの香りのアクアスキュータム

Aquascutum trench

オペラ歌手ソフィアの小さなスタジオコンサートに行ったら、
隣におもろい服のおばさんがいて、おしゃれねって声かけたら、
1ドルよ、っておもちゃのサンタの指輪をきらきらさせた。
古そーーーーなシャネルジャケットに、
古そーーーーなシンプルなヘリンボーンのおずぼん。
ほんで靴はなんとコンバース。
ジェーンバーキンみたいやぁ、、。
コートはええ感じのよれよれのトレンチでAquascutumというレベルが見えた。
着る人が着るとかっこいいトレンチファッション。
彼女いわく
「レインコートにもなるし、夏冬世界中を旅するのにいいのよ」
そんな万能コートありですか?
「My country ロンドンはね、すぐに雨が降るし冬は寒いし、こういうコートが必要なの。私は去年世界一周旅行をしたのよ。その時に役立ったのはこのコートなのよ。あら、今からタップダンスのクラスに行かなきゃ。またね」
え、タップダンスですか?え、世界旅行ですか???
さすがジェーンバーキン、おもろい。

あたしも欲しい欲しい、どらえもんのジェーンバーキン万能コート。
ちなみにアクアは水を意味し、スキュータムは盾を意味する。
いい名前だぁ。

けどフロリダにロンドンはない。
ということでネットで調べてみた。
そしたら、すごくすごくおしゃれなブランドで、トレンチ以外のコレクションに心奪われてしまった。

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蝶泥棒を追う

マイアミブックフェアでのショーの仕事は熱愛が高じ、未だ熱がさめやらん!
読書が好きな私にとってブックフェアは夢の国、
仕事の前後、ホテルで出会うベストセラー作家との立ち話などに、
コーフンのるつぼでした。

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中でもこのJessica Speart氏との出会いは最高でした。
彼女はミステリー作家ですが、今回の作品は、自分の経験とリサーチを基にしたノンフィクションです。
おもしろいことに、この本のリサーチのために彼女は日本に渡ります。
発端は、蝶の違法採集&販売の謎の泥棒ヨシ。
やくざの闇市のドンのひとりだと思われるヨシは、世界1の蝶泥棒。
蝶を洗いざらい採集し、果ては卵までかき集め、自然保護違反の犯罪者として刑務所入りします。出所後、ジェシカは彼をリサーチするために取材を申し込むが、むげに断られたので、身元をかくして蝶ファンのふりをして、ヨシにちかづく、、、

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本当に彼女はしたんですよね。おもしろすぎです。

彼女の元はといえば、NYの売れない女優。
失恋を機にアフリカに逃避行し、象がアイボリーのため世界中のバイヤーに殺されるのを目の前にし、
動物保護の記事を書き始めました。
で、そのうち、登場人物が一人歩きをはじめ、小説を書き始めたとのこと。

アラスカの体験談でお互い花が咲き、
他のおっさん有名作家が鮨を食べにいこうと誘うので、一緒に出かけましたが、
おっさん無視で、私たちはアラスカの話を夢中でしてました。

さすが作家だけあって、選ぶ言葉は妙を得て、クールです。
最近退職した写真家の夫が家にいてうっとおしい、とのたまい、
おっさん達が、彼が3年間ずっといなくて久しぶりに帰ってきたと思ったら愛おしいだろ、
と無理じいすると、
私たちふたりは顔を見合わせ
「3年も帰ってこなかったら、若い愛人に囲まれて住んでるわ」
と、うふふ、と笑うのでした。


☆55歳までにしたい5つの事☆

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50歳って気持ちがすごく変わる。
ショーツアーに出たキャロライナでふとそんな事を思う。

夜型から朝型になって、今も朝焼け〔写真↑)だし、
顔も変わったとひとしきり思うし、
服やお化粧もごっそり変わったし、
仕事の仕方だってそりゃもう変わったし、
したい事も変わり、書いてみたくなった、こんな事、、、

☆55歳までにしたい5つの事☆

1 沖縄でダイビング。とにかく美しい日本の島。いつもいつも行ってみたいのに行ってない島。
2 弾き語り。これまたしてみたくて仕方ないのにしたことがない。
3 ピラテスをマスターする=インストラクターライセンスを取る。
4 空中ブランコ。なぜか夢に何度も何度もみる。
5 自分の劇場を開く。これは私の人生の定番。

書いてみると楽しいです。
私の友、ハワイに住むフランス人の野生児が14歳の時に40歳までにしたい40の事、書いたそうな。
例えば、カンボジアの平和運動に参加する、飛行機から飛び降りる(=空中ダイビング)、海亀と泳ぐ、6カ国語を喋る、みたいなのを40項目。すべて達成したのだと、さらりとのたもう。私は目がハートマークであります。