201406

エリカのつま先

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ご近所の美人エリカはブロンドの青い瞳。
細い巻き毛をくしゃくしゃっとポニーテイル。
化粧の気配なく、
毎日、洗いざらしのtシャツに半パン。
そんな30歳の飾りけのなさがよかったりする。

ホンダのぼろトラックに乗っていて、
毎朝、うちの前を通り過ぎていく。
今日は、あたしの家にタイヤの空気をいれにきた。

赤のサンダルにキャンディピンクのペディキュアがいつものぼろトラックから降りてくる。
え、、、誰かと思うやんかぁ~。
いつもは破れたビーサンに砂だらけのお足もとのエリカなのに。

「マイクが今日帰ってくるの。うふふ」

マイクは彼女の旦那様で、巨大な船の船長。
2ヶ月ほどクルーズに出て、2ヶ月ほど家にいて、またいく。
その繰り返しのお仕事。

2ヶ月ぶりに旦那様が帰ってくるからと、
彼女なりに飾って会うのを楽しみにしてるってこと。
たまらなく微笑ましくて、
キャンディピンクのつま先は動くたびにシャボン玉が舞いだすかのよう。

車の中では、ベビーシートの1歳児ジェイクが
「$%^&*shutobpbl;pg uuuuuuuu。。。。」

ぶいぶいとのたまい、
エリカは急いで甘い笑顔を残して帰っていった。


私は女がいつまでもこんなふうに恋していれたらいい、といつも思う。
私は女がいつまでもこんなふうに笑顔でいれたらいい、といつも思う。
そして恋をしていなくても、笑顔でなくても、
私は女達がなにかしら女でいることをさがしだして楽しめたらいい、といつまでも思う。

女のトレンチの物語

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日本にいたのは晩春で、まだ寒い日もあって、トレンチコートをはおっている人がすごく多かった。
私はトレンチにすごく憧れていて、、、
というかそのイメージに憧れていて、
この3つの写真が大好きです。

トレンチは元々、イギリスのミリタリーコートで、肩のエンポレットと呼ばれるフックの部分は、戦場で見方の戦士が倒れたのを紐でエンポレット同士をつなぎ、引きずってでも運ぶという役割があったそうです。イギリス戦士の誇りのひとつだったかもしれません。

戦場で身につけるものは生死にかかわるので、
ほかにも様々な機能あり。
地図をいれるための大きなポケット、Dリングは手榴弾をかけるためのものともいわれ、胸には防弾チョッキが仕込まれていることもありました。

戦場でない街を華奢な女たちがトレンチを着るのは、
平和のかけらのようで、
私は男のトレンチより、女のトレンチが素敵に思えたりします。

それにしてもこのトレンチ、
都会に住むちょっと孤独で、ちょっと強い、クールな女性のイメージがします。
日本の女優の岸恵子さんとか、、、
でも誰が着ても、不思議となんらかのストーリーを語るようで、
他にこんな服はないなぁ、、、と思うのでした。

ちなみに一番下の写真は「ティファニーで朝食を」。
原題はカポーティの小説で、主人公のモデルのアイデアとなったのは彼のお母様という噂。
映画では彼女の偏った夢であったニューヨーク富豪の仲間入り、
というテーマは軽く扱われていますが、小説ではとても皮肉に孤独に描かれています。
写真のオードリーが着ているトレンチはラストシーンにも着ていて、
ヤケで飼い猫を外に追い出し、土砂降りの中、その猫をまた探しにいきます。
都市の上流社会を蝶のように舞うという、
その見かけだおしの快感は、
路頭に迷うずぶぬれの猫のような心にしかすぎなくて、、、

トレンチを着る女性の物語、まだいろいろありそうです。