空港でデート

kansai.jpg


大阪関西空港、大好きです。
海中に浮かぶおもちゃみたいです。
リムジンバスで大阪の陸地から渡ると、
これまた橋の両脇から、
おもちゃ遊びの真っ最中みたいな景色が続きます。
港に寄せる赤や白の船、
工場のキリンのようなクレーン、
コンクリートのとんがり三角屋根、
チョコレートバーみたいな船着場、
遠く小さいレゴブロックみたいなトラック、、、、

タワーがあって、そこからはまた積み木遊みたいな風景も見れます。
デートのカップルがバスの後ろにすわってた。

空港のデート、ロマンチックね。
へへ、私もしたことあるよ~。
22歳で、
父と初めて伊丹空港で会った時のこと、。

私が2歳の時に離婚した母は、私に離婚の話を隠し、
死んだ、って私に言った。
母は嘘が下手で、私は高校生のとき、なんとなくかんづいて、戸籍から父のことを知った。
大学でヒマをもてあましていたある日、彼に電話をしてみた。

そして宝塚ホテルロビーで待ち合わせをし、伊丹空港へいった。

飛行機が好きなのだろうか?
こんなところに連れていくなんて。

大きなガラス窓の前にたって、
飛行機が一機づつ空に飛んでいくのを、
二人で並んでいつまでも見ていた。

「今はナニをしてるの?」
「ずっと、県会議員をしてるよ。農場ではイチゴをつくってるよ。」
「ふぅぅぅ~ん」

昼の太陽の光がまぶしい喫茶店に入って、
彼は紅茶、私はアイスコーヒーをオーダーして、
彼は少し嬉しそうに言った。
「いつかこんな日がくることを楽しみにしてた、、、んや。」
私は
どういうこと?って訊きそうになって、やめた。

離婚の理由、を彼は自分から話しだし、
私は黙って聞き、外の飛行機が飛び立つのを見続けた。
初夏の空が青くて、白い飛行機がいつまでもよく見えた。

細身の体に仕立てのいい濃紺のスーツ、
紺の縁取りのあるシャツは、紳士っぽかった。
私は当時好きだったビギの麻のワンピースを着て、
それなりのおしゃれをしていったと思う。
傍から見て、私達はどう見えただろう?

やっぱり父娘だろうか?
だとしたら、ロマンチックな父娘に違いない。

別れ際に、
「娘というよりは、いいお嬢さんに会えてうれしかったなぁ。」
と照れくさそうに言って、動かない飛行機をじっと見ていた。
私は、なんといっていいかわからなくて、
「飛行機が好き?」
彼は「くにちゃんといつか見たいと思ってた、、、」
と言った。

あほかぁ~、って言うたろか、と思うたけど、
ロマンチックなデートとして置き去りにして帰ってきました。

Related Entries